漆は、漆の樹液を精製したものです。漆塗りの技法は5000年の昔、縄文時代にまでさかのぼります。「輪島塗」など伝統工芸の漆器は、世界に比類のない高度な完成度と美しさを誇ります。
仕上げまでに100工程以上の手間をかけるといいます。漆は乾かすのに湿度が85%以上必要であったり、漆液は皮膚に付くとかぶれるなど、簡単に使いこなせる塗料ではありません。
自然住宅の塗料として使いこなすには、まだまだ難点はあります。しかし工夫次第で、その際だった美しさを住まいの中にもっと取り入れていきたいものです。
柿渋とは、読んで字のごとく渋柿に含まれる「渋」(渋味成分はタンニン)を自然発酵させて作ります。江戸時代には番傘や漁網などに使われてきました。乾くと強い被膜を作る見事な塗料です。
木に塗ると、実に和風の落ち着いた茶色に仕上がります。おもしろいのは柿渋は塗った後、日光に当てると次第に濃く深みが出てくることです。
塗り壁の仕上げ材です。
珪藻土(けいそうど)とは、海や湖に生きていたプランクトンの死骸が、海底や湖底に沈んで堆積し化石になったものです。 一見さらっとした粉末ですが、電子顕微鏡で観察すると泥粒子と思いきや、平均0.05ミリのきれいな円形化石。放射状に数百もの孔が開いています。このミクロ多孔質構造が珪藻土に比類のない優れた性能を与えているのです。
それは、(1)保温、(2)断熱、(3)調湿、(4)脱臭、(5)浄化、(6)吸音、(7)結露防止、(8)防カビ、(9)耐火性能と建築建材としては八面六臂の超性能。
珪藻土の値段は10キログラム袋約1000円という安さ。自分で固まることは出来ないので、石灰・セメントなどの「凝固材」「つなぎ材」を配合する必要があります。
さらに、様々なスサを配合して表情をつけたり、青森ヒバチップを混ぜたり、炭素繊維や砂を混ぜるなど、各社様々な珪藻土・仕上げ材を開発しています。あとは水で練って塗るだけです。左官工事を頼むのが面倒な方は、自分だけのオリジナル【珪藻土・仕上げ材】を作ってみてはいかがでしょうか。
畳は、日本が世界に誇る自然素材の建材です。本来の畳の構造は、ワラでできた「畳床」をイ草で編んだ「畳表」でくるんだものです。
約3万本を厚さ40センチに重ねた稲ワラを5センチに圧縮。乾燥させた稲ワラを縦横の層に重ね合わせて強力な圧力で圧縮したもの。
まず、縦横に稲ワラを置いた状態でワラの本数は約3万以上、かさは40センチほどの厚み、それを5センチの厚さまで圧縮して畳床の原形とする。 ワラの中身は空洞なので、ここまでギュッと圧縮されても畳床にはおびただしい隙間に空気が存在します。上を覆うイ草の「畳表」も空気を含みます。
こうして畳は素晴らしい断熱性能、吸湿性能を持つのです。 畳一畳は、空気中の水分(湿気)0.5リットルも吸収します。そして、屋内が乾燥するとそれらを放出するのです。八畳間なら4リットル、驚くべき調湿効果です。まさに温帯モンスーンの湿度の高い日本の風土にぴったりです。
また、畳の空気層は防音、防振にもすぐれています。何しろ激しい柔道の練習にも耐えるくらいなのですから。
中はスポンジ状で柔らかく、熱を伝えにくい。畳表に使われるイ草の直径は、わずか1.5ミリ。断面を見ると中が中空スポンジ状になっており、電子顕微鏡で見ると、一つ一つの細胞にも細かい穴があいている。
畳を指でそっと撫でると懐かしいほどに柔らかいのも、わけがあったのです。
イ草の表面には、細かい縦のすじがあり、これを「い筋」と呼びます。畳のサラリとした肌触りは、この「い筋」のおかげです。 また、イ草の中のスポンジ状に動かない空気のおかげで熱を伝えにくくし、冬でも素足に温かいのはそのためです。逆に夏はひんやり涼しく感じます。
さらにイ草には、大気汚染物質:二酸化窒素を吸収して空気を浄化する作用があることもわかってきました。イ草は驚嘆すべき自然素材なのです。
イ草は冬2月に苗が植えられて、翌年の初夏、背丈が1メートルを超えたごとに刈り取られます。産地でも当然、品質差が出てきます。
「染土」という特殊な粘土で「泥染め」を行います。 こうすることで畳独特の光沢、色、匂いをつけます。乾燥、選別を経て畳表が織られるわけです。
「低級品」に使用されているのは綿糸。一見青々としていますが「顔料で着色したもの」と聞いてがっくり。等級はJAS2等、一枚約2000円。中級品は4500円。高級品は約7000円から【上限はない】と言ってよいほどです。
抗菌性や吸湿性に優れ、消臭効果も発揮する画期的なものです。従来の化学物質を使ったものと比べ有害物質が一切発生しません。空気中に放散された有害物質を吸着除去します。
また、下地から放出される化学物質を封じ込め、室内環境を改善し住生活を快適にします。ホタテの貝殻(カルシウウムペイント)は強アルカリなので、酸性の臭い、特にタバコの煙を吸着除去します。それにより黄ばみもありません。 部屋の消臭と結露防止、防カビ、防ダニに驚異的な効果を発揮します。
リフォームの施工は、既存の壁材に塗り重ねるだけです。 チャフウォールは現在年間260万トンのモミ殻と、150万トンのホタテ貝殻が廃棄されています。これらの未使用資源を使い、資源の有効活用を行っています。なおかつ、人の健康を最優先に考えた素材でもあるのです。

60種以上の原材料に最高の調合技術を加え、製造した100%天然塗料です。
製造に際して石油製品の代わりに、再生可能な残留がなく危険性のない天然原料を使用しています。そして塗料が使われる場面に際しては、居住性が損なわれることのないよう、エコロジカルな側面からも危険性のない、環境を意識した塗料です。
ワックスとは臘のこと。
よく「ワックスをかける」と言います。床にも、車にも。その目的は「汚れを防ぎ、水を弾く」ためです。そこで、「水を弾く」性質のロウを塗るわけです。 ただ、直接木に塗ると、水は弾いても汚れは次第に中に入り込みます。
まず、木の表面に塗料が塗られていることが前提です。ワックスはその「塗膜」を美しく、健康な状態に保つために塗るのです。(車のワックスかけも同じ) もっと身近な物はロウソクです。敷居のミゾに塗って襖のすべりをよくした思い出があります。あるいは、廊下に塗ってすべって遊んだことも。これもワックスかけをしたことになるでしょう。 天然のロウにもいろいろあるものです。
蜂蜜の巣表面に白っぽく見える、これを採取してさらしたもの。リップクリームなどにも使われる。ミツロウワックスはテレピンに溶かし、ペースト状に使いやすくしたもの。
ハゼの木の実の皮部分から採れる。昔は髪付け油として欠かせなかった。今もお相撲さんの髪油として活躍している。その他、整髪料などにも健在。
カイガラムシの幼虫の分泌物。ロウソクのほか織物のつや出しに。
カルバナ椰子の葉の裏側から採れる。
その他いろいろ・・・。天然ロウもやはり天然樹脂と同じように、様々な動植物から採取できることがわかります。文字通りの天然原料。これらワックスに溶剤を加え、やわらかく使いやすくしたものが「天然ワックス」として売られています。
これらはよく燃えるので油だと思っていたら、主成分はなんとタンパク質。 日本でも昔から、おからや牛乳で床を磨く手入れ方法がありました。
一風変わったやり方に見えますが、含まれるタンパク質をロウと同じようにつや出しワックスとして利用していたのです。 「天然ワックスは高い、面倒!」という人は、飲み残しの牛乳使ったり、米糠で床を磨くのと同様の効果のある米のとぎ汁を活用しましょう。
自然素材である木は、それぞれ違った性質を持っています。その特性を知って「適材適所」に使うことは、家を建てるうえでとても大切なことです。
乾燥性が良く、狂いが少ない木材。材質は柔らかくて軽いが、強度と耐朽性が高い優良材と言える。柱や土台に使われる。
光沢のある木肌や独特の香りが人気の木材。 杉の次に植林されている木ですが、同じ樹齢でも杉の半分くらいの太さにしかならず、檜普請といえば昔から贅沢な家の代名詞に使われます。
木目がまっすぐ通っていて、柔らかく加工しやすいのが特徴。用途も幅広く、柱や貫などの構造材や天井や壁、床などの内装材として、障子や襖などの建具材としても使われます。
日本で最も多く植林されている木なので、国産材の中では最も安く手に入る材料です。
腐りにくく、最も耐水性のある木材と言われている。独特の強い香りは、精油成分によるもので、有名なヒノキチオールはヒバの精油成分のひとつ。この成分のおかげで、腐朽菌に強く、シロアリなどの害虫も寄せ付けない。
優れた耐水性と耐朽性で土台や木製の浴室などにも使われます。
ヤニが多く、ねじれやすいのが松の特徴。
松は湿度が高いと白太にカビが発生しやすいので、伐採は秋から冬に限られる。樹木がヤニを出すのは自分の身を守るためと言われている。
ヤニの多い松は、材に粘りがあり圧縮力に対して強度が大きいと言われています。
比較的安価なので、構造用として梁などの横物使いの材として利用されることが多いです。
硬くて重く粘りがあり、耐水性に優れているので腐りにくく、住宅の土台には最適の材料です。
しかし、伐採する(材料として使えるようになる)まで長い年月がかかるため、最近では市場に出ることが少なく手に入りにくい材料です。
強度があり、耐朽性に優れている。重くて硬いが、弾力性があり、曲げに強い。日本の広葉樹の中でも優良材の一つと言われている。
木目が明瞭で美しいので、家具などにも使われています。
杉の代用品として桁などの横物や、防腐処理をして土台などにも用いられる。
また、辺材部が白く、塗装の仕上がりもきれいなことから、造作材として使用されることも多いようです。
軽量で柔らかく、加工がしやすい。狂いや割れも少なく、吸湿性に優れていることから、衣類の保管に最適でタンスなどに使用されています。
木炭が一般に使われるようになったのは明治時代になってからです。昭和15年頃は約270万トンの炭が消費されていました。最近では一般家庭で燃料としての炭の利用は少なくなっていますが、木炭に秘められた貴重なパワーが見直され再び注目を浴びています。
木炭には大きく分けて「黒炭」と「白炭」の二種類があり、炭質がずいぶん違います。
1,000度以上の高温で焼かれ、消火の時に消し粉と呼ばれる炭灰(樹脂の灰と炭焼きの後の灰を水で練ったもの)をかけて一気に火を消します。
白炭の表面の白い粉はこの消し粉で、白っぽくなることから白炭と呼ばれます。 原木はカシやナラなどの硬い木で、有名な備長炭はウバメガシを使います。特徴として、火付きは悪いものの、いったん火が付くと火力が強く立ち消えしません。
遠赤外線効果で食材のうまみを逃がさず焼き上げるので、主に高級料理用の燃料として使われています。
400度から700度で焼かれ、木材が完全に炭化した段階で窯を密封して火を消し、冷やしてから取り出します。消火の時に消し粉はかけず黒いままなので黒炭と呼ばれています。
原木はクヌギやコナラなどの軟らかい木を用います。白炭に比べると軟らかく火付きがよいのが特徴です。火持ちはしないが発熱量は多いので、一般燃料として使われています。
湿度の高い時には水分を吸着し、乾燥したと時には水分を吐き出し湿度を調節します。部屋に置くと梅雨の時期には湿気を取り、冬には部屋の結露を防止するため防カビ効果があります。 押入やタンス、靴箱などに入れておくと湿気を取り、防カビ・防虫対策にも。
無数の孔が人体に有害な化学物質を吸着して、孔に棲みついている微生物が分解・無毒化して水や空気を洗浄します。水道水の塩素を吸着するので、お風呂に入れると肌や髪を守り、飲み水は体にやさしくなります。
樹木の時に土の中から吸い上げたミネラル分(カルシウム、カリウム、鉄分、マグネシウム)が炭になることにより濃縮され、水にも溶けやすくなり体への吸収も良くなります。 備長炭を使うことでミネラルウォーターやミネラルたっぷりのご飯が簡単に出来ます。
遠赤外線は温度が上ると放射される量が多くなります。お風呂に備長炭を入れると、遠赤外線の放射が促され、体が芯から温まり血行が良くなります。冬はもちろん、夏の冷房による冷え、足腰の痛みや筋肉疲労を和らげるためにも効果的です。 入浴時に木酢液や竹酢液と一緒に使うと温泉効果が増し、肌もしっとりとします。ご飯がふっくら炊けたり、炭火焼がおいしいのも遠赤外線効果です。
備長炭は炭素のかたまりです。炭素には活発なマイナスイオンが含まれています。 マイナスイオンは空気を爽やかにし、心を安定させると言われています。居間や子供部屋、寝室の枕元やベットの下に置くと安眠効果が期待できます。お年寄りや赤ちゃんのベットの下には特におすすめです。
無数の細かい孔により湿気や雑菌が吸着され、空気が浄化されます。お部屋の空気洗浄の他、押入や靴箱、車やトイレなどの脱臭に効果を発揮します。特に冷蔵庫の脱臭におすすめです。 脱臭のほか、酸化防止の働きもあるので野菜の鮮度が落ちにくくなります。冷凍庫に備長炭を入れておけば、氷に冷蔵庫の臭いがつきにくくなります。
1,000度前後の高温で焼かれた備長炭は、非常に伝導性の良い性質になります。電磁波を遮蔽するには電気を良く通ス(伝導性)物質が適しています。備長炭の伝導性の性質により、電磁波を吸収し遮蔽する働きがあります。
備長炭を水に入れておくと、無数の孔の働きで水の分子が小さくなります。水は分子が小さければ小さいほど、繊維の奥に入り込みやすくなり洗濯物の汚れをよく落とします。 また、体への吸収が良くなり、水道水に比べると胃腸への負担を和らげると言われています。
昔一番よく使われていた接着剤は米からできた米のりです。
昔の大工さんは、ご飯を木板の上で竹ベラでこねる事が仕事のはじまりで、その接着力はものすごく、実験でも木工用ボンドと同じくらいの強度があるそうです。
にかわは、動物の骨や皮を煮て精製してできるゼラチンで、にかわ=ゼラチン=コラーゲンでもあります。現在では、食品・化粧品などに広く利用されていますが、昔は接着剤としても使われていました。
また、にかわは高温では液状ですが、低温ではタンパク質が固まる性質で固形になる特性があり、それを活用するのです。
南欧ポルトガルでとれるコルク樫の表皮を、高温の熱を加えて出来るのが炭化コルクです。しかも、幹そのものを切り倒すことなく採取でき、表皮は9~10年で再生します。
コルクには一平方センチあたり2000万~4000万個もの微細な空気を含んだ細胞組織が存在します。
この細胞組織があるため、コルクは熱伝導率が非常に低く、断熱効果が高くなります。 樹木の樹皮からつくる素材であるため、自然保護の面でも素晴らしい素材です。
紙を発明したのは、古代中国の蔡倫(さいりん)とされてきましたが、現在ではさらに昔の紙が発掘されており、蔡倫は紙の技術革新に貢献したと位置づけられています。
中国で生まれた紙の製法は、ヨーロッパ、イスラム、そして日本へは朝鮮をへて伝わります。「日本書紀」によると、610年に高麗の僧曇徴(どんちょう)が渡来し、日本に紙を伝えたと記載されています。 その頃の日本は聖徳太子の時代で、戸籍や写経のために大量の紙を必要としたため、紙すきは日本各地に広がりました。
そしてそれからの1300年の間に原料や製法を日本独自のものに改良し、今ではその美しさ・強さおいて比類無く、世界的に「日本の紙」いわゆる「和紙」としての高い評価を得ています。 和紙と洋紙の違いはその原料にあります。
和紙の3大原料は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)で、植物の外皮のすぐ内側の靭皮繊維(じんぴせんい)を使います。靭皮繊維は強靭で、和紙の強さの秘密はその原料にあります。 洋紙の場合は木材の中身を使うので、原料としては豊富にありますが、その強さにおいては和紙に遠く及びません。
しかし、生活に密着してきた和紙も、現代においては生産性やコストの問題で、その用途の多くを洋紙に譲りました。今でも各地に「和紙の里」はありますが、総戸数で400戸程しか残っていません。 ところが、機械すきの和紙は洋紙の生産技術と和紙との伝統を融合し、極めて手すきの和紙に近い風合いまで出来るようになりました。
現在、日本独自の風合いを持つ紙を「和紙」と定義づけるようになっているそうです。 障子や襖は日本独自の建築様式であり、日本の文化でもあります。これからも和紙文化を守り発展させて行くために、和紙の優れた特性を生活の中でどう活かせばいいのか、用途を開発していく試みが重要のようです。
和紙素材は現在シックハウスなどの化学物質による人体への影響が問題となっている住宅分野で、人に優しい住宅内装材として見直され始めています。
現在、新しい試みのひとつとして、和紙の機能を障子や襖の代わりに「のれん」で活かそうというアイディアがあるようです。洋風の部屋にもピッタリです。 障子や襖のように汚れたら張り替えたり、布のように洗えないという問題点がありますが、汚れを“時間と共に出る深みや味わい”として、あなたもオリジナルの「のれん」を作って生活の中に和紙を取り入れてみませんか。
花崗岩またはこれに似た深成岩をいう(深成岩とは、火山活動によって噴出したマグマが地下の深いところでゆっくりと冷えて固まったもので、花崗岩はその深成岩の一種である)。
日本ではこれが墓石に多く使われてきました。 雨や風に強く、風化せず表面のツヤが無くなりません。この特徴を利用して外壁に多用されています。また、磨耗にも強いので敷石や階段石などにも使われたり、店舗の内装やテーブルの甲板などの材料としても人気があります。
肉眼で見えるような等粒状結晶が御影石の特徴で、産地にちなんだ俗称の他にその結晶の大きさによって大御影(鬼御影ともいう)中御影、小御影(磨耗に強く耐久性もある)に分けられます。 色調によっても白御影、赤御影、黒御影、桃(桜)御影、錆御影などがあり、黒・赤・白の順で高級です。御影石は一般に、固く緻密で耐久性に富み、磨くと美しい光沢が出てきます。
今日本でとれるのは白や桃色、灰色の薄いもので赤や黒は外国産しかありません。 国内では茨城、愛知、岡山などが主な産地で、中でも瀬戸内海の島々から採れる御影石は良質で評判が高いのですが、日本の石はだんだん数が減ってきており、今では墓石用の高級品になっています。
石灰石が熱・圧力によって変質したものを言います。色彩や模様が美しく、種類も豊富で内装材としては最も優れた石だと言えます。
岩石学上は「結晶質石灰岩」が大理石ですが、石材界もっと広い範囲の石を総称して大理石と言っているそうです。つまり、比較的柔かく加工も容易で、かつ、色や模様が綺麗で磨くと美しい光沢が出る装飾用の石材をまとめて大理石と呼んでいます。
原石としては御影石より高いものが多く、比較的柔かいので加工が楽でその分安くつくので、結局御影石と同等になります。 耐火性、耐侯性とも弱く、酸性雨などに特に弱いので内装材に用いられます。国産より外国産の方が圧倒的に色柄が美しく、種類も豊富で産出量も多いそうです。
日本は輸入品に頼っています。 イタリア、ギリシャ、ポルトガルなどが名高い産地で、特にイタリアは世界の採掘量の約三割を占めています。また、アフリカで採れた石もイタリアを経由して輸出されるため、世界の七割はイタリアが握っていると言われています。
コルクタイルは、コルク樫の樹皮を原料とした木質系の床材です。原料のコルクを粒状にして加工しながら焼き固め、タイル状に加工したものですので、非常に堅牢で耐久性に優れており、水にも強いわけです。
素材そのものが持つ適度な弾力性は、足腰への負担も少なく心地よいという特徴もあります。そのため、リビングやキッチン、洗面所などどんな部屋にも用いることができます。 防音性が高いので、ピアノ室や階下への音が気になる子供部屋等にも適していると言えます。また、断熱性も高く、肌から熱を奪わないので寒い季節でも快適。コルクタイルの中には床暖房対応商品もあるようです。
厚みや色のバリエーションも豊富で、健康に配慮した無塗装の商品や天然油脂を使ったものもあります。 また、ナチュラルな色みだけでなく、ブラックやホワイトなど様々なカラーを施したものもあるので、インテリアに合わせてコーディネートすることも可能です。 コルクタイルは伐採せず、再生する樹皮を利用するので、環境保護の観点からもエコロジーな素材であり、ここ数年見直されています。
コルク以外にも天然素材を使った床材がいくつかあります。どれも自然の素材ならではの質感が魅力で、しかも調湿性や断熱性など内装材としても優れた機能を備えています。
熱帯地方に生育するココヤシの繊維を原料にした床材。ココヤシの繊維はリグニンが多く含まれたセルロースの繊維なので、丈夫で水にも強く、腐りにくくカビが生えにくい性質があります。
ザラッとした独特の足触りが心地よく感じるので、洗面所をはじめ広く室内使うことができます。
竹は、木材よりも弾力があって丈夫と言われています。繊維方向が一定で反りにくく、曲げ強度や圧縮強度もあります。竹は成長するサイクルが早いので、環境にも優しいと言えるでしょう。
ヒガンバナ科の多年性植物から繊維を取り出して、天日で乾燥したものを床材で使用します。
日本で初めて粘土瓦が使われたのは飛鳥寺と言われ、その後飛鳥・奈良時代は仏教興隆政策により寺院の建築が盛んになり、多くの瓦が使用されるようになりました。
しかし、粘土瓦は高価なため使われる建物はごく限られた寺社建築や城郭建築、諸大名の屋敷などでした。粘土瓦が庶民住宅に使われるようになったのは、8代将軍・吉宗が瓦葺禁止令を廃止し、江戸中に瓦を奨励するようになってからです。 明治に入り、桟瓦として全国に本格的に普及しました。
粘土瓦には、本瓦、桟瓦、平瓦、スパニッシュ瓦、フランス瓦、S型瓦などがあります。
日本で最も古い瓦形式で平瓦と丸瓦を組み合わせて使用するもので、多くの寺社建築で見られ重厚な雰囲気があります。
日本家屋で最も使用されている瓦で施工性、経済性が良く、地域の風土に適した納まりがあります。
水返しなどの細部に凹凸があっても基本的に平らな形状をした瓦です。和瓦、洋瓦のように使用範囲が制限されないのでどのような建築にも対応できる瓦です。
本瓦に似た上丸瓦と下丸瓦に形成された構造で、重厚感あふれるイメージで葺きあがります。
長方形の板に凹をつけた3方向の水返しがあるので、緩勾配の屋根にも使用でき、耐風性もよい瓦です。
スパニッシュ瓦を上下一体化したもので、山部分と下地に桟瓦よりも空気層が出来て、断熱性が高い瓦です。
また、粘土瓦は燃焼方法により仕上りの雰囲気が変わり、意匠的には重要な分類方法となります。一般的には、いぶし瓦、釉薬瓦、塩焼瓦に分類されます。
最終工程で燻化工程が行われ、瓦の表面に炭素を主成分とする炭素膜を成形させ、密閉冷却して作ります。黒瓦、銀色瓦とも呼ばれ、よく焼成されたものは独特のいぶし銀のツヤが特徴となります。
釉薬を塗って焼くために、釉薬によっていろいろな色の瓦が可能です。また、大量生産も可能で陶器質で凍害に強い性質を持っています。
無釉薬瓦の一つで赤瓦と呼ばれています。焼成の最終で食塩を用いて表面をガラス状に仕上げ、吸水性が低く凍害に強い製品です。
瓦の生産は全国各地で行われていますが、特に良質の粘土が豊富で交通の便の良い生産地が発達してきました。三州瓦、淡路瓦、石州瓦は、粘土瓦の三大産地と呼ばれて昔から生産が行われてきました。
三州瓦は、愛知県の西三河地方で展開する全国最大の産地です。発祥は1700年頃が有力とされ、良質かつ豊富な粘土に恵まれて発達してきました。三河地方の瓦は、焼成温度が高く優れた耐火性能を有し、凍害にも非常に強いという特徴です。交通の立地条件も良く、首都圏、中部圏、近畿圏のほか北海道や九州にも製品が送り出されています。
淡路瓦の歴史は古く、約1300年前の飛鳥時代から作られているようです。交通の便と近畿圏と言う大きな市場に恵まれて発達してきました。淡路瓦の土は「なめ土」と呼ばれ、粘土瓦に適しています。 粒子が細かく美しい仕上りになります。三州瓦や石州瓦と比べて、焼成温度が低く寒冷地には不向きと言えます。
石州瓦も歴史は古く、昔は石見瓦と呼ばれて淡路瓦と同じ飛鳥時代に端を発しているようです。 石見地方には昔から良質の白陶土が産出され、雲州地方の来待石からとれる釉薬を使うことで、石州瓦独特の「赤瓦(柿色)」として注目を浴び、山陰はおろか北前船で北陸から北海道にも運ばれていました。 高温焼成による耐候性、凍害無用製品として発達してきました。
瓦は屋根材料としてだけではなく、エクステリア、インテリアとしても多く使われるようになってきました。 土から作られた自然素材の瓦が増えることによって、町並みに風格をもたらすことでしょう。
古くから使われてきた内外壁の仕上げ材料のひとつ「漆喰(しっくい)」。漆喰は粉状の消石灰に糊、麻スサや紙スサを混ぜ、水で練ったものです。下塗り用の漆喰には砂も加わります。
主原料の消石灰のことを普通「せっかい」と呼んでいますが、これは石灰石を焼き(生石灰)、これに水分を与え反応させて作られるのです。 漆喰を水練りして塗ると、空気中の二酸化炭素と反応し、消石灰が石灰石の成分に戻っていくことで徐々に硬化していく。このため緻密で堅く、耐水性が高いという特徴を持っています。
漆喰には吸放湿機能があり、塗り厚がある程その機能は高まりますが、塗り厚が薄い場合でも塗り面積があればその効果が表れるようです。梅雨の時期には空気中の湿気を吸い込み、冬季は逆に漆喰内の湿気を放出します。 従来は左官職人が海藻を煮て糊液をつくり(ふのり)、これに麻スサを混ぜ、消石灰や砂と合わせて現場で漆喰を作っていました。
現在はこれらの素材に塗りつけやすいように可塑剤などを加えた粉体の既調合材を水練りして使うのが一般的です。糊液で練状にしたものもあります。粉末化学糊を使用している製品もありますが、天然の海藻糊を使用し、すべて自然素材からなる既調合漆喰材料も出ています。
漆喰壁というと、左官職人の技量、労力が最も必要と言われるなめらかな表面の「磨き仕上げ」、土蔵の壁などに行われる「押さえ仕上げ」が挙げられますが、現在は顔料や小石、藁などの配合や塗り方で、色やテクスチャーに変化を与える仕上げも用いられています。
灰墨を入れた漆喰をムラなく塗り付け、丹念に磨き上げていく。その微妙な光沢は落ち着きと格調高さを感じさせる。
最も基本的な漆喰仕上げの一つ。これまで土蔵の壁などに多く行われてきたもので、金鏝などで押さえて仕上げる。
何といっても防火性です。それゆえ財産を守るため土蔵に使われました。漆喰はまた、湿気を吸集し調節するので季節の変化に耐え、カビがつきにくいという性質もあります。 今でも押入れの壁によく使われるのはこのためです。つまり漆喰は気候が季節ごとに変化する日本にふさわしい建材なのです。そのほか遮音性や遮光性にも優れています。
漆喰の歴史はとても古く、世界中で使われてきました。今から5千年前のエジプトのピラミッドの壁に使われたのが漆喰の起源のようです。 古代ギリシャやローマ時代の建築物にも使われていたことはアクロポリスの神殿やポンペイの遺跡からも判明しています。これらの文明では、漆喰は絵の具を石灰に染み込ませて壁を装飾する手法が使われたようです。 これが後に、イタリアルネッサンス時代のフレスコ画として確立されました。一方、アジアでは中国の万里の長城にモルタル、つまり煉瓦をつなぐ接着剤として漆喰が使われていたようです。
日本では、戦国時代に城郭(じょうかく)建築のため石灰と海草糊を混ぜて使う独自の漆喰工法が確立されました。漆喰が城に使われたのはその優れた防火性と耐久性のためです。 これらの長所を生かして、江戸時代には裕福な商人屋敷の土蔵や神社仏閣に使われるようになりました。
昔から漆喰が使用されていたところをよく見ると、漆喰の効用がうかがい知れると思います。主だったところは、
過去の漆喰の使用法で、高い吸放湿性や防カビ性、明光性等、漆喰壁がいかに日本の住まいに有効であるか、おわかりになれるかと思います。
無垢材とはその名前のとおり、一本の木から取れるつなぎ目のない天然の木材のことです。
本物の木でできており、半永久的に長持ちし、素足で歩くのも気持ちよく、生活していくうちに深みのある風合いになります。
無垢材には呼吸して、湿度を調節する機能と断熱性があります。
無垢の木は生きているため経年変化を楽しめ、目に安らぎを与えます。木の香りには解毒作用、脳に作用して神経を和らげたり活発にしたりする働きがあります。
木にもいろいろな性格があります。堅いものや柔らかくて傷のつきやすいもの、節があったり、色が均一でなかったりします。
暮らしの中で木のぬくもりを感じることで、さらに愛着のある住まいを手に入れることができるのです。